希望の舎―キボウノイエ―

漂泊を続ける民が綴るブログ。ちょっとナナメからの視点で語ります。これからの働き方・中世史・昭和前期の軍の組織論・労働問題・貧困問題・教育問題などに興味があるので、それらの話題が中心になります。

雇用問題について考えてみる

「優秀な学生がいない」という物言いは会社の驕りであるという件〈再掲〉

いつの時代も「近頃の若者はなっていない」という若者バッシングが巻き起こる。 これらにはまともな根拠はなく、単なる印象論でしかない。 若者たちをスケープゴートにして留飲をさげる取り残されたオヤジ連中がいるだけである。 ここ数年、新卒者の就職活動…

なぜ会社での仕事がつまらなく感じるのかという件

以前のエントリーでつまらない仕事でもそれを続けていれば役に立つこともあるという趣旨のことを書いた。 それは僕の実体験からのものである。 勤め人の時に、いやいやしていた仕事が後々に自分を助けることになった。なんだかんだあっても食つなぐことがで…

経営者はサラリーマンよりも一枚も二枚も上手であるという件

経営者とサラリーマンの違いとは何か。 色々とあるけれども、一言で言ってしまえば「人を使う」か「人に使われているか」の違いである。言挙げすればシンプルなものであるが、両者の間に存在する溝や壁は大きい。 自己啓発系の著書や記事等でサラリーマンの…

「優秀な学生がいない」という物言いは、会社の驕りであるという件

ここ数年、新卒者の就職活動に関する報道でよく見聞きするのは人事担当者の「優秀な学生がいない」「優秀な学生がわが社に来ない」というコメントである。 僕はこの言い草に強い違和感を覚える。 まず、「優秀な学生」を決める判断基準がおのおのの会社が決…

履歴書の空白期間を問題視するのはバカバカしいことだという件

新卒にしろ既卒の転職にしろ、未だに履歴書の空白期間、すなわち会社勤めをしていない期間(新卒の場合は卒業後のブランク)があればそれが問題視される。 本当にバカバカしいことだと思う。 僕は社労士事務所を畳もうとしたときに転職活動をしたことがある。…

ほとんどの人たちは嫌になっても会社を辞められないという件〈再掲〉

多くの人たちは勤めている会社に不満があっても辞められない。未成熟な労働市場、流動性の低さ、手薄な社会保障制度等の要因が絡み合ってのものである。 何より、多様な働き方があることや様々な仕事があることを知らず、「雇われて働く」ことしか頭にないと…

僕は就活が嫌だったし、ほとんどしなかったという件

雇われて働くことを嫌悪している僕ではあるが、大学4回生の夏には就活「らしき」ことはした。僕は本心ではサラリーマンにはなりたくなかったが、親の手前、世間体を考えて「とりあえず」就職する道を選ぶことにしたのだ。 大学院に進むことも考えたが、どう…

ほとんどの人たちは嫌になっても会社を辞められないという件

今勤めている会社を辞めたいと思ったことがある人は大半に上るだろうと推察される。 労働条件が悪い、社内の人間関係がしっくりこない、上司が無能である、今担当している仕事にやりがいを感じられない等々理由は様々である。 多くの人が一度や二度仕事を辞…

人手不足の会社は自業自得である、という件

人手不足に陥って事業の継続に支障をきたしている会社が多いという報道が散見される。 アベノミクスを賞賛する人たちは好景気の証だと吹聴している。実質賃金が上昇していない事実をどう見ているのだろうか。 労働力人口の減少による不可避な現象だとも言わ…

完全な能力主義の会社なんて存在しないという件

僕はかつては能力主義の信奉者だった。 顧問先の会社に能力主義的な人事制度や給与制度を提案し構築したこともある。 コネや情実などは前時代的な遺物であり、「公明正大」な能力主義こそがあるべき姿だと思い込んでいたのだ。 僕は今でも能力主義の処遇が全…

「適職」や「天職」なんて幻想だという件〈再掲〉

その仕事が自分に合うかどうかなんて実際に働いてみないと分からない。 自分にピッタリとマッチした仕事に巡り合う確率はかなり低い。 それでも僕たちは生きるために働かなければならない。 今やっている仕事が天職でなくても全然構わない。 初出 2017/3/7 …

働く環境を良くするためにはひとりひとりが現実と向き合うしかないという件〈再掲〉

劣悪な労働環境の職場が多いことは多くの人たちに知られている。 そんな職場で働く人たちの大多数は声をあげることもせずに耐えている。 個々人が現実といかに対峙するかが大切となってくる。 初出 2017/2/16 この国で働く人たちの多くは労働環境が劣悪な状…

上司の大多数はどうしようもない奴らであるという件

僕のサラリーマン時代を振り返ると上司に恵まれなかった、という思いが強い。僕がダメサラリーマンだったということを横に置いといて、上司や中間管理職がなぜこんなにバカが多いのかということを独断で書いていきたい。 ダメとされる上司は元々が仕事ができ…

サラリーマンの給料が働きより少ないのは当たり前だという件〈再掲〉

会社の利益は労働者に「分配」されるわけではない。 労働者の給料は「労働力の再生産」に相当する費用分しか支払われないのである。労働者である限りかつかつの生活を強いられ続けるのだ。 初出 2017/1/24 世の多くのサラリーマン(労働者と呼ぶ方が正しいが…

仕事に100%の力をつぎ込まなくてもよいという件

この国の労働者、特に正社員は仕事に全精力を注ぎ込むことが当たり前だとされている。プライヴェートを犠牲にすることも厭わない態度が要求される。 自分の仕事を終えても付き合い残業をさせられたり、意味のない長時間の会議に出なければならない。 極言す…

体育会系マネジメントなんてもういいかげん辞めたら、という件

僕はスポーツ観戦が大好きである。野球、ラグビー、アメフト、駅伝等々そのシーズンが到来するのを楽しみにしている。 しかし、体育会系的なノリは苦手である、というか嫌悪感を覚えるときがある。 この国の会社組織では体育会的なエートスを持ったところが…

「シフトダウン」した働き方で新たな生き方が見えてくるという件〈再掲〉

僕たちは自分の生活を成り立たせるために働いている。 衣食住に必要な程度の稼ぎとプラスして自分の趣味に使えるほどの稼ぎがあれば十分なはずである。必要以上の消費欲に囚われているのではないか。刷り込まれた欲望を満たすための消費のために死ぬほど働く…

内申書は長時間労働やサービス残業等の労働環境劣化の源である件

僕は公立中学校に通っていて府立高校に進学したのだけれども、そのときに内申点の比重が大きかったことを覚えている。僕とそんなに成績が変わらないのに、内申が悪くて1ランク下の高校に進んだ友人がいた。 昨今の内申書は授業態度や意欲を殊更重視する傾向…

中間管理職なんて本当に必要なの、という件

僕の職業生活の大半はフリーランスか非正規雇用である。 正社員のサラリーマンとして働いた期間は長くはない。 そのサラリーマン時代にはロクな上司に当たらなかった。信頼に足ると感じた上司・管理職は2,3人程度で他は仕事以外では絶対に付き合いたくないと…

定時で退社するのは当たり前だという件〈再掲〉

僕はサラリーマン時代喜んで残業する同僚たちが理解できなかった。 そんなに職場に居残って何が楽しいのだろうと思っていた。 長時間労働によるメリットなんて皆無である。 定時退社が当たり前でないこの社会はどこか狂っている。 初出 2016/9/15 この社会は…

「適職」や「天職」なんて幻想だという件

「この広い世界のどこかに自分にぴったりと合った仕事がある」と僕たちは考えがちである。 自分にマッチした仕事を追い求めて転職を繰り返したり、「自分探し」をしたりする。 どうせ仕事をするならば、自分が好きなこと、自分に合った仕事をしたいと思うの…

社畜から脱するための第一歩は有給休暇をためらいなく取ることだという件〈再掲〉

僕が勤め人だった頃、「休まない自慢」をする人たちが多かった。 この不思議な生態を僕は全く理解できなかった。 休まないのはその人の勝手だが、その価値観を僕に押し付けるな、といつも思っていた。 初出 2016/9/6 僕が働きだした頃はバブルのイケイケ時代…

介護職、聖なる職ではなく賤なる職でもない件〈再掲〉

現在でもそうだが、近い将来に介護職員の不足が懸念されている。 求人サイトでは介護職の募集であふれている。 なにゆえにこれほど不人気職種なのか。 待遇の悪さ以外に根源的な理由があるのかもしれない。 初出 2016/8/30 僕は以前このブログで介護や福祉の…

働く環境を良くするためにはひとりひとりが現実と向き合うしかないという件

この国で働く人たちの多くは労働環境が劣悪な状況にあることに苦しんでいる。 長時間労働、サービス残業、誤った成果主義、リストラ圧力が常にかかっている等々である。 新自由主義やグローバリズムはごく一部の経営者層・富裕層を富ませるだけで、労働者の…

社員から収奪し、社員を酷使して儲けているだけなのに名経営者ヅラする奴らが気にくわない件

資本主義体制下においてそれぞれの会社は利益の極大化がその存在意義である。利益を出せばさらに投資して会社の規模を大きくする。その繰り返しである。 会社がどれほど利益を出しても労働者への恩恵は雀の涙ほどのものである。利益の大部分は株主への配当と…

長時間労働の是正は会社と労働者主導で行うべだという件

電通社員の痛ましい過労自殺があって長時間労働をなくせ、というコンセンサスが生まれてきているのは良いことだと思う。 しかしながら、その方法として国家による規制ばかりに目が向けられていることに僕は危機感を持っている。 確かに国家権力による強制力…

サラリーマンの給料が働きより少ないのは当たり前だという件

世の多くのサラリーマン(労働者と呼ぶ方が正しいが)は自分の働きに比べ給料が少ないと感じている。 元々賃金の額は不満足要因であって、多少の昇給があってもほとんどの人は満足しないものである。それと人は自分に対する評価が甘くなりがちで、自分が思っ…

「会社のために尽くしたのに・・」という泣き言はとても見苦しいという件

ビジネスシーンを描いたドラマや小説でリストラされた社員が「あれだけ会社に尽くしたのに」というセリフを言って非情な会社に恨み言を吐く場面が時々ある。 僕の周囲にはそのような言葉を吐く人は見当たらない。 このことはたまたまであって、会社社会の不…

非正規雇用という働き方は悲惨なのかという件〈再掲〉

正社員と非正規雇用という「身分差」はなくした方が良い、と僕は考えている。そのためには同一労働同一賃金の原則を確立する必要があるだろう。 何よりも非正規雇用という雇用形態も「真っ当な」働き方である、というコンセンサスがこの社会に浸透する必要が…

「学歴社会」は消えてなくならず、まだまだ続くという件

学歴偏重や学歴社会というものに対してネガティブな感覚を抱く人は多い。 僕も学歴だけで人を判断することには拒否反応を示す。 ただ、ある人を評価したり選別する物差しとして学歴というものは必要だと思っている。その人の家柄や氏育ちで判断するよりは合…