海外で「日本食」がブームになってから長い月日が経ちます。
今では一過性のものではなくなってきています。
私は「日本の○○が凄い!」とか「日本は他の国より優れている」といった類の番組が好きではありませんし、全く観ません。
どの国にも、どの民族にも良いところもあれば良くないところもある、ただそれだけの話です。
とは言え、日本食に関しては健康に良い影響を与えるというエビデンスがあります。
最も有名なものとしては・・
1977年に公表された「マクガバン報告」です。
アメリカの議会が自国内でガンや生活習慣病が増加し続けている現状を改善するために全世界での食生活・食習慣の大規模調査を実施したのです。
その内容の詳細は省きますが、日本食が理想に近い食事だとの結論を示しました。
そのすぐ後に実施された「チャイナ・スタディ」も有名です。
どちらも関連著書も多くあり、すぐに調べられますので、興味のある方は一読をおすすめします。
ただ、いずれも現在は忘れられかけているのが残念です。
「大人の事情」によって、マスコミから黙殺されて世に広まらなかったとか・・・
実は日本においても、かつては(1970年代頃まで)は「長寿村」をはじめとする地域のフィールド・ワークが数多く実施されていました。
長寿の人が多いあるいは病気の発生が少ない地域の食習慣をはじめとする生活習慣を調査して、病気の予防や老化防止などの参考にしていたのです。
どの調査でもほぼ同じような結論を得ています。
それは・・・
①動物性たんぱく質(特に肉類)の摂取量が少ない。
②野菜類・海藻類・キノコ類を多く摂取している。
③毎日適度に運動をしている。
④食べ過ぎない。
・・・と、ざっくり言うとこんな感じです。
中でも特に私の目を引いたのは・・・
昔ながらの食事内容をしている人たちが多い、という事実です。
これらの調査の実施当時はすでに都市部では食の西洋化の波が押し寄せていました。
昔ながらの日本食を常食している地域では明らかに生活習慣病やガンの発生率が平均値より低くなっていました。
これらの調査結果を鵜呑みにしてはいけないとは重々承知しています。
例えば、生活習慣病は少ないけれども、感染症が多いとか腰痛や関節炎のような疾病が多発しているかもしれません。
何事にも「光と闇、表と裏」の部分が存在します。
しかしながら・・・
「たとえ古臭くても、善き伝統」を伝え続けていくこと、その恩恵に感謝し享受することはとても大切だと私は思っています。
それらの「古くから伝わる智慧」を「時代遅れ」とか「迷信」とのレッテルを貼って否定する態度は賢明ではないとも思います。
ただ、「今すぐに昔の食生活に戻せ」と言いたいわけではありません。
無理筋もいいところです。
先人の叡智・智慧へのリスペクトを忘れないことが大切なのです。
実行可能のものは、一部に採り入れてみて、その結果が良いものであれば範囲を拡大したりさらに継続していけばいい、と私は思います。
少し前から、食の見直しが地域単位で行われています。
学校給食のメニューを「地産地消」にしたり「昔の和食風」にしたりするなどの取り組みはその好例ですね。
皆さんも、できる範囲で、無理がない程度で「昔ながらの日本食」を採り入れてみてはいかがでしょうか?
「新しい発見」があるかもしれませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます。