最近は「笑うこと」の効用を説く情報が増えてきました。
笑うことによって免疫力がアップするとかガンや生活習慣病の症状の改善に役立つなどです。
医学や科学の分野でもいくつもの実証実験が実施されています。
「笑う門には福来る」という諺があるように、我が国では笑うことが心身の調子を良くしたり運勢が良くなったりすると古来から言い伝えられてきました。
そんなに小難しく考えなくても、笑顔に満ちた「場」にいると気持ちが良くなります。
明るく前向きな気持ちにもなります。
このように・・「笑い」のもつ力は私たちの想像を遥かに超えるほどに強いものなのです。
「笑うこと」を意識すること・・・例えば笑ってしまうような作品を多く観るといった行動を意識的に行うことで人生がうまくいく・・となればこんなに簡単で安上がりな方法はありません。
ところがです・・・
皆さんの通勤途中の電車の中や街を行き交う人たちの顔を見てください。
大抵は暗くて重くて沈んだような表情をしています。
まあ、確かに一人でニヤニヤしているのも気色悪いのも確かなのですが・・・
中高年より上の方々は(私も当てはまります)、「人に歯を見せるな!」「笑うなんて不真面目だ、不謹慎だ」といった感じの教育を受けてきたのではないでしょうか。
ちょっと前まではどのような種目のスポーツでも、練習中に笑うなんてもってのほかでした。
試合中ならなおさらのことです。
笑うこと=真剣ではない、真面目ではない、といった刷り込みがなされていたのです。
学校教育では根性論や精神主義とリンクしていたように思います。
会社勤めや役所勤めにおいても同様です。
このテーマでブログを書いていて、私は昔に(大学生のときだと記憶しています)観たある映画を思い出しました。
それは『薔薇の名前』という作品です。
当時はかなり話題になった映画です。
ウンベルト・エーコーという著名な学者(哲学者だったか言語学者だったかな?)が原作で名優ショーン・コネリーが主演でした。
中世の教会内で起こった連続殺人の謎を解き明かすミステリーです。
内容は端折りますが、そのオチが「笑いの効用」を説いたある書物を世に出さないために教会のトップが仕組んだ事件・・というものでした。
中世はカトリック教会の権威が失墜した時代ですから、それを食い止めようとするための画策だった・・・ということです。
歴史を紐解いてみると・・・
古今東西の権力者たちは「笑い」にとても敏感だったことが分かります。
ある者は庶民の「ガス抜き」に利用し、ある者は笑いを誘うような芸能や書物を徹底的に弾圧したり・・・といった感じで決して自由にはさせませんでした。
お笑いは庶民の一番の娯楽であり、権力者が忌み嫌うものだったのです。
現代社会でも、例えば疫病が流行している、お偉い方が亡くなった、戦争中etc.という事態になると「非常時」とされ、真っ先に「笑い」に関することがコントロール下に置かれます。
繰り返しになりますが・・・
「笑うこと」「笑い」にはもの凄い力がある、ということです。
医学的にも、歴史的にも、芸能的にも、芸術的にも、その他諸々あらゆる領域で。
ならば・・・
その「笑い」の持つ力をもっと自分に取り込むようにすれば、運が、道が開けるようになります。
ほんの少しだけ「笑い」を意識しながら日々の生活を送るだけでいいのです。
気軽に楽しみながら、「笑いがある」人間関係づくりや場づくりをするように心がけると、大抵のことはうまくいきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます。