希望の舎―再生編ー

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「国に頼るな」というもっともらしい言説には注意せよ、という件〈再掲〉

近代以降の社会では人は自立した個人として生きるのが善とされてきた。

このことを突き詰めると過剰な自己責任論となる。

自己責任で片付けた方が国家にとっては好都合となる。

 

初出 2015/12/2

 

自己啓発モノの定番として、「国に頼るな」「会社に頼るな」的な論がある。

変化の激しい、グローバルな時代を生き残るためにはどこでも通用するスキルを磨いて「個人」として生きていけということだ。

この論自体は至極真っ当だし、僕もそう思う。

国家や会社に寄りかかり寄生することは見苦しいしリスクの高いことである。

 

この手の言説はビジネス関係の自己啓発で留まっているのならば罪はない。

やはり人は時としてひとりで道を切り開かなければならない場面に出くわすこともあり、強い「個」を持たなければならない。何か大きなものに寄りかかって、それで事足れりとするメンタリティでは良くはない。

 

しかしながら、常に強い個を持っていけるほど人は強くはない。

様々な困難に遭うのが人生である。

場合によっては自分ひとりでは解決できない困難なことに出遭うこともある。

例えば失業して次の仕事が長い間見付からずに蓄えが底を尽いたり、病気になって収入が激減したり、離婚して子どもを抱えて養育費がもらえないとか、色々な困難に出くわす。

「国に頼るな」と強弁したがる輩は酷い境遇に陥った人たちに対しても自助努力を強いがちであり、自己責任論を持ち出して、自分では手を差し伸べずに放置する下劣な奴らである。

「国に頼るな」はエスタブリッシュメントにとっては誠に都合の良い言説ともなる。

 

僕は社会保障制度が人々の困り事すべてを解決するとは思わない。けれども、最低限の生活保障の術である社会保障制度を受けることを国に頼っているとする風潮は是非とも改めなければならない。基本的人権云々以前の問題である。

僕たちは本当に困ったときには国に頼ってもいいのである。何も恥ずべきことではない。

僕たちは税金を払っている。この税金は国民の生活の安全・安定のために使われるべきものであり、国家は国民の生活を守る責務がある。

国民の生活を守れないような国はもはや「国家」ではない。徴税権なぞ放棄すべきである。

 

そもそもエスタブリッシュメントやそれに連なる連中こそが国に寄りかかっている寄生虫である。

例えば数十兆円の公的支援を受けた都市銀行日航東京電力などの財界を代表する面々、官僚たち、政治家などみな税金を食い物にし、国家に寄生している恥知らずの連中である。

 

とは言え、僕たち庶民は国家に頼り切ってはいけない。自分ができうる限りの自助努力はすべきである。

いざ、という時のために国家が存在していればよい。

国家は必要悪である。

頼るあてにすらならない国家など存在価値はない。

 

「国に頼るな」というもっともらしい言説に惑わされることはない。

多くの人たちはハナから国家など頼りにはしていない。

けれども、利用できる制度などは活用させてもらう。

この国家に対する醒めた態度は、僕が大切にしている「庶民のリアリズム」に他ならない。

 

 

 

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