希望の舎―再生編ー

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融通が利けば良いというわけではない件

よく公務員や大企業の社員は融通が利かないという批判がなされる。

杓子定規であり、前例踏襲主義であり非効率なことが多いのも確かである。

また融通が利かないことは柔軟な発想が出来ないとか、社会の進歩を阻む障壁になるとも言われる。

 

果たして「融通の利く」ことがそんなに良いことなのだろうか。

 

融通が利くということは、人によっては恣意的な解釈や運用が是認されるということを意味する。

例えば、入試で「融通が利いて」良いのだろうか。税金の賦課で融通が利いても良いのだろうか(徴収については融通が利くことがあるが)。交通違反の罰則に融通が利いても良いのだろうか。

有力者や権限を持つ者に頼めば色々なことに融通が利く社会は公正な社会と言えるのか、改めて考えてみるとよい。情実が当たり前のようにまかり通る社会は腐敗した社会となる。

 

僕が公務員時代に遭遇したケースを紹介しよう。

僕は最初の配属先(国保係)で療養費を担当した。療養費とは何らかの事情で医療機関に保険証を提示できなかったときに後に申請して自己負担分以外の医療費を還付する制度だ。他にコルセット費用や医師の証明がある鍼灸治療費にも適用されている。

僕が出会ったケースは統合失調症の人に鍼灸治療を施し、その費用を療養費として申請してきたものだ。この申請は国保連合会の審査で不適当との結果が出たため、療養費の申請は却下された。この結果を本人に通知したところ、本人がものすごい勢いで窓口に怒鳴り込んできた。相手をしたのは担当者である僕だ。本人は持論を滔々と繰り返して埒があかない。当時は統合失調症に対して鍼灸治療が有効だという科学的データがないために保険診療が認められていなかった(今は分からない)。国保連合会の判断は合理的で正しいものだった。しかし、本人にとってみれば「融通の利かない」杓子定規の対応だということである。

話し合いの結果、審査請求をすることで決着した。その後、この人の申請が途絶えたので審査請求でも却下されたのだろう。

 

融通が利く、利かないは結局はケース・バイ・ケースで事に当たるしかない。私事であれば融通を利かせても良いが、公の場ではそうはいかない。役所仕事にしてもビジネスの場においても一定のルールがあり、そのルールに則って様々な行為をなすことが公正さを担保することになる。

 

「融通の利かない」ことをすべて「悪」とする考えや風潮は誤っている。

融通が利くことが当たり前となると、結局は社会的強者のエゴが通る社会となるおそれがある。

 

自分にとって都合の良い結果をもたらす意図をもって、融通の利くことが良いとする考え方は単なる利己主義である。

 

 

  

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