僕が通った小中学校にはなかったが、1年間無遅刻無欠席で通すと皆勤賞として表彰される学校があった。
この皆勤賞は今でもあるのだろうか。
学校は休んではいけないものだという風潮があり、親も学校もその風潮には疑問の欠片も持っていなかった。少々の風邪や熱、腹痛くらいでは休んではいけない。
僕は中学生のときに熱があるのに無理して登校し、風疹だったことがある。僕がクラスで第一号で風疹に罹り、その後学校で流行したため、しばらくの間「病原菌」というありがたくない渾名をつけられた経験がある。
学校は休んではいけないものというコンセンサスがあり、不登校経験のある僕はこの「休んではいけない教」の異端者である。
社会人になっても、「休んではいけない教」を信仰し続けなければならない。
酷い会社になると週休日に休めないし、年次有給休暇を取るなんてもってのほかだ、という空気になる。有給休暇を取っただけで人事考課の査定が下がるなどという会社もある。
有給休暇の取得率が他の先進諸国に比較してかなり低いと問題になって久しい。
わが国では有給休暇を取り辛いような職場が多い。また、いざ取得するときに理由を告げなければならない職場も多い。
これは変な話だ。
仕事が回らなくなるので有給休暇を取れないと言う人たちがいる。
一人が休んだ程度で仕事が回らなくなるのは、上司や経営者のリスク・マネジメントがなっていないだけの話である。不測の事態に備えることはマネジメントの重要な要素であり、当然に社員は休むこともあるということを念頭に入れておかなければならない。
そもそも有給休暇は労働者が有する当然の権利である。取得する際にも理由の如何は問われない。また、経営者は有給休暇の申請を原則として拒否できない。例外が認められるのは繁忙期などで「時季変更権」を行使することだけである。つまり、経営者側は労働者の有給休暇取得に際して、例外的に取得時期を変更することができるが、有給休暇の取得そのものは拒否できないのである。
ブラック企業をはじめとして少なくない会社は、有給休暇は会社が与える恩恵的なものだと曲解している。労働者側も当然の権利とは知らずに、恩恵だと思い込んでいるケースがある。
週所定の公休日にせよ有給休暇にせよ、仕事を休むことは必要でまた大切なことだと思う。
心身を休養させるということは当然のことだ。
また、休むことによって、何かアイデアが生まれたり、仕事に向かうモチベーションが上がることもある。
休むことの効用は大きいのだ。
休まずに働き続けることが尊い、というのは「昭和的価値観」(by城繁幸氏)に過ぎない。
また、経営者にとって都合の良い価値観でもある。
以前のエントリでふれた、住宅費と教育費の負担を減らす施策があってという前提だが、僕は週休3日制もありだと考えている。
休日が増えた分を使って地域活動や社会活動などに参加しやすくし、かつワーク・シェアリング的な施策を導入して失業者を減らす。
仕事だけ人間や社畜を減らすには良い案だと思うが、今の社会全体の風潮や政府のバカさ加減を見ると・・・当分は無理かなぁ。