希望の舎―再生編ー

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税金を払っていない人は何も言う資格はない、ことはない件

生活保護受給者や低所得者等に対するバッシングとして、「税金もロクに払っていない人間には何もいう資格はない」というものがある。

要は税金(所得税や住民税)もかからず払わないようなゴク潰しは自分の意見等を主張する権利などないと言いたいわけである。

 

この物言いは明らかに無知である。

暴論である。

人の有する権利は税金を払おうが払おうまいが全く関係なく万人が享受するものである。

税金額の多寡で人を判断するのは間違っている。

仮に税金の不払いを云々するのならば、あらゆる手段を弄して税金を免れている大企業に政治家に向けてなされなければならない。

 

そもそも税金を全く払っていない人など存在しない。酒税やタバコ税で払っているし、何より消費税は誰もが払っている。たとえホームレスであろうと全く消費活動をしていないわけではなく、きちんと税金を払っているのである。

世の多くのサラリーマンは税金と言えば所得税と住民税のみだと近視眼的に捉えがちである。

低所得者所得税等は払わなくても消費税や酒税などの間接税は負担している。

だから、「税金を払っていない人は何も言うな」という論の前提が誤っているのである。

 

他に似たような物言いとして「税金で食っている人間は何も言うな」というものがある。主に生活保護受給者に対するバッシングの際に用いられる。

これもタチの悪い俗論である。

公園や公立学校、公立病院、社会インフラには税金が投入され、殆どの人たちは「税金」の恩恵を受けている。多くの会社には補助金という公金が注ぎ込まれている。サラリーマンの給料の原資に「税金」が入っていることは多いという事実を忘れている。

公務員はまさに「税金」で食っている。

公的年金には国庫負担として税金が入っている。

この国の人たちはすべて何らかの形で税金のお世話になっているのである。

 

これらの「税金」に関する言説がまかり通るのは、この国の人たちの利己主義の所以であると僕は考えている。

自分が税金の恩恵を受けるのは当然であると考え、時としてその事実から目を背ける。自分は「自立」していると思い込みたいからだ。

分かりやすい形で税金の恩恵を受けている生活保護受給者等に対しては、自分たちだけ楽していると思い込み、受給者たちの境遇を慮ることができずに、自分勝手な考えを世にばら撒く。他者が税金の恩恵を受けることが許せないのだ。この狭量さが自分の首を絞めることになる、ということに思いが至らないのである。

 

所得税等を払っていない所得の低い人たちは何も卑下することはない。直接税以外の税金をきちんと払っているのだから。たばこを吸い、酒を飲んで自分の身体に鞭打って税金を負担しているのだから、堂々としていればいいのである。

「税金を払わない者は何も言うな」と言いたがる人たちは単なる無知であり、利己主義者なのである。

そんな愚かな人たちの目を気にすることはない。

稼ぐようになったら所得税や住民税くらい幾らでも払ってやるさと、涼しい顔をして胸を張ってこの世を闊歩すればよい。

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