希望の舎―キボウノイエ―

漂泊を続ける民が綴るブログ。ちょっとナナメからの視点で語ります。これからの働き方・中世史・昭和前期の軍の組織論・労働問題・貧困問題・教育問題などに興味があるので、それらの話題が中心になります。

僕は就活が嫌だったし、ほとんどしなかったという件

雇われて働くことを嫌悪している僕ではあるが、大学4回生の夏には就活「らしき」ことはした。僕は本心ではサラリーマンにはなりたくなかったが、親の手前、世間体を考えて「とりあえず」就職する道を選ぶことにしたのだ。

大学院に進むことも考えたが、どうしても研究したいことがあったわけでもなく、我が家の経済事情もあってその道は断念した。

 

僕が公務員試験を受験したのは、そうすることによってできるだけ就活を避けたいという邪な考えがあったことは事実である。僕が就活を始めたのは公務員試験が終わってから、7月の終わりころからだったと記憶している。

僕が就活をしたのはバブル景気真っ只中の頃(当時はバブル景気という言葉はなかったが)である。恵まれた状況にいたのは確かだ。

僕が就職試験を受けた会社は確か4社だけだったと思う。あるメーカー(非上場の会社ではあったが、優良企業と言われていた)から内定を得て就活を終え、後は公務員試験の結果待ちということになった。

 

9月の終わりころに公務員試験に合格し、内定をもらっていた会社に断りを入れることになった。僕は少々ビビっていた。都市伝説的に内定を断るとひどい仕打ちを受けるということが流布していたからだ。野村證券の内定を断った学生が頭から熱いコーヒーをかけられたとか、別の内定先に学生を誹謗中傷する電話を入れたとかいった類の噂が広まっていたのである。

僕が内定を得ていた会社の対応は非常に紳士的で(当たり前か)、とても残念がってくれたうえに僕を励ましてくれた。その会社の製品を目にするたびに、僕はそのことを思い出す。

 

僕が就活をしていた頃は、就活ナビのサイトなんかはなく、リクルート社の発行する企業情報と大学の就職課だけが情報源だった。エントリーシートもなく、自己分析なんてこともしなかった。今から比べると牧歌的な時代だったと思う。そんな牧歌的な時代だったからこそ、僕のようなやる気のない学生でも就活らしきことができ、優良企業から内定を得ることができたのである。

僕がもし今の時代に就活生をしていたならば、途方に暮れて、何もできなかっただろう。

 

僕が就活をしていた期間は実質1か月に満たない。

もし今のように数か月にも及ぶ長期戦だったら、メンタルをやられていたかもしれない。やはり受験した会社から断りを入れられると自分という人間を否定されたように感じ、結構堪えるものである。僕が不合格となった会社はいずれも有名な大企業であったのでまあ仕方がないか、と自分を慰めることができたのではあるが。

 

僕は大学生の就活をメディアが大きく取り上げるのはいかがなものか、と思っている。

できれば、そっとしておいて欲しい。

就活生の皆が皆強い意志をもって就職試験に挑んでいるわけではない。僕のように周囲の空気につられて、嫌々ながら就活に臨んでいる学生も少なくないはずである。

会社に正社員として就職してはじめて「社会人」となる、という風潮もおかしい。

雇われて働くことがディフォルトというのもどこかおかしい。

 

僕のわずかばりの就活経験を、良い経験だったと思うことはない。やはり無駄で不毛だったのではないか、という思いを断ち切ることはできない。

就活を毛嫌いし、本気で取り組まなかった成れの果てが、今のダメ人間まっしぐらの僕である。しかしながら、面白く、楽しく生きているのだから、まあ何とかなっているということも付け加えておきたい。