正社員のサラリーマンとして働いた期間は長くはない。
そのサラリーマン時代にはロクな上司に当たらなかった。信頼に足ると感じた上司・管理職は2,3人程度で他は仕事以外では絶対に付き合いたくないと思うような人たちであった。
僕が公務員時代の最後の方で関わった直属の上司は最悪であった。
以前のブログにもちょっとだけ書いたけれども、この最悪な上司はまさに「昭和的な」労働観の持ち主だった。この上司は僕が前任者から引き継いだ仕事の効率化を図って残業を大幅に減らしたことに怒りを露わにし、様々な嫌がらせを僕にした。勤務時間内に決済印を押さない、退勤時間間際にどうでもいいような仕事を今日中にやれと振ってくる、などなど僕に残業させようとあの手この手を使ってきた。果ては「そんな仕事のやり方では出世できないぞ」と説教までする始末。この最悪な上司がいたおかげで僕は公務員に見切りをつけることができたので、今となっては感謝している。
僕の全くな個人的な経験だけを基にして僕の考えを表明するのはどうだかなぁとは思うけれども、やはり言いたいことがあるので言っておきたい。
「そんなにたくさんの中間管理職なんて不要だよ」と。
僕が正社員として勤めたのは役所(規模が大きい)と中小企業という両極端な組織であって、特殊なケースなのかもしれない。
僕が勤めた中小企業ではワンマン経営のところが多く、自分の意見がダイレクトに経営者に届いて、それはそれでよい面があった。しかし、経営者の意向がすべてだということでもあり、弊害もある。
やたらと中間管理職の多い会社は組織の維持にはうってつけかもしれないが、経営環境や社会の変化に対応できないし、さらなる発展がしにくいのではないか、と思う。全くの僕の独断と偏見ではあるけれども。
巷に流布する経営論等では分厚いミドル層こそが日本的経営が成功した要因であると述べられていた。一旦はこの論は衰退し、フラットな組織でないと会社は発展しないとなった。ところが、また中間管理職のポストを再び増やす傾向にあるという。
組織をフラット化し役職を減らすと、個々の管理職の仕事が増えて管理しきれないことになった、ということで再びミドル層の見直しが行われている。
これはおかしい。
部下に適切に権限や裁量を委譲できてないだけのことである。いや、部下に裁量を与えることで管理職の権限が奪われると思い込み、それができない無能な管理職が多いだけなのである。
また、中間管理職に就くことによって得られた好待遇を手放したくない、つまり既得権を手放したくないと考えている中間管理職たちが、屁理屈を並べ立てて自分の地位・既得権に固執しているのである。
また、中間管理職の数が多くなると「口出し」をする人が多くなり組織が硬直化する。下手をすれば「中間管理職たちを食わす」ために会社組織が存続することにもなりかねない。本来の意味でのマネジメントができる資質や経験を有する管理職だけがいれば十分なのである。
僕のような正社員としてのサラリーマン経験が少ない者が中間管理職なんて必要最低限でよい、殆どの中間管理職なんて不要だ、と言っても説得力はないのかもしれない。
しかしながら、サラリーマン根性に毒されていない、組織の論理に絡め取られていない(と勝手に自負しているだけだけれども)奴の言葉にも耳を傾けて欲しい。