希望の舎―再生編ー

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非正規雇用という働き方は悲惨なのかという件〈再掲〉

正社員と非正規雇用という「身分差」はなくした方が良い、と僕は考えている。そのためには同一労働同一賃金の原則を確立する必要があるだろう。

何よりも非正規雇用という雇用形態も「真っ当な」働き方である、というコンセンサスがこの社会に浸透する必要がある。

 

初出 2016/7/5

 

全就業者に対する非正規雇用の割合が40%に達している。

この統計から導き出される結論は論者によって異なる。「安定」した働き方を重視する立場からは大問題となるしグローバル化を是認する立場からはさもありなんということになる。

僕は派遣やパートタイム等の非正規雇用労働者はこれからもずっと増え続けるし、それは仕方がないという立場である。

 

経済格差を問題視するような著書やコラム等で非正規雇用労働者の悲惨さを殊更に強調する論者が数多くいるが、僕はそれらに違和感を覚えている。その主張の多くは正社員と非正規雇用社員との格差や非正規雇用の人たちの「貧困」を強調し、さらには正社員になるルートがかなり狭いことを問題にしている。そこには正社員こそがあるべき働き方であり、正社員になりさえすれば様々な問題が解決するという偏った価値観が見え隠れする。正社員という働き方が正しい、スタンダードだという古い労働観が透けて見える。

 

正社員か非正規雇用かという働き方が問題なのではない。

両者の間に存在する処遇の格差が問題なのである。身分差別ともいえる不合理な格差こそが問題なのである。

会社に隷属する正社員という働き方を忌避する人たちも多くいる。会社は生活費を稼ぐための場だと割り切った働き方をしたい人たちは多い。社畜化してまでも正社員の座に座り続けたいという人たちはそれほどの多数派ではない。ただ仕方なく会社にしがみつき、正社員という立場を守り続けているのである。

 

完全なる同一労働同一賃金に移行するのは無理がある。しかし、一部の正社員層の処遇を切り下げ、非正規雇用労働者の処遇を切り上げる手立ては講じるべきである。少なくとも非正規雇用でも都市部でちょっとだけ余裕のある生活レベルの一人暮らしが可能なほどの処遇が確保できれば大方の問題は解決する。

結婚して子育てをする段になっての住宅政策、教育費の無償化等の社会政策が適切になされればもう正社員にこだわることもなくなる。

 

非正規雇用労働者が悲惨だとされるのは、都市部で一人暮らしが困難なこと、いざ結婚となれば子育て費用や住宅費の負担が重い現状、社会政策の不備のツケをもろに個人が被るからである。これは正社員にとっても同様で、住宅費と子女の教育費の過重な負担が転職や起業の芽を摘み、会社にしがみつく要因となっている。

 

ただ、社会政策の拡充には時間もかかるし財政上の制約もある。

今は堅牢な社会システムに対して個人として向き合うしかない。人それぞれの置かれた状況や価値観は異なるので絶対的な処方箋は存在しない。

まずは高度消費社会の常識から自由になることだ。カネがなければ何もできないという常識から逃れることだ。必要最低限の生活費を見直し、少ないカネで生活できる体質に変換する。人の欲望にはキリがない。その限りない欲望を肯定し、それを原動力にしているシステムが資本主義なのである。

さらには非正規雇用という働き方も真っ当な、立派な働き方であるということを忘れないことだ。世間に蔓延する正社員だけが真っ当な社会人だという狭い偏った労働観や人生観に同化しない。会社に隷属する生き方を疑ってかかることだ。非正規雇用という働き方をしている人々が劣っているなんて決してない。ただの働き方の違いに過ぎない。

 

資本主義の経済・社会システムからちょっとだけズレた思考様式を持つことができれば、どんな働き方を選択しても飄々としかも楽しく生きていくことができる。

非正規雇用という働き方が悲惨なんて妄言を笑い飛ばすことができる。

  

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