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希望の舎―キボウノイエ―

漂泊を続ける民が綴るブログ。ちょっとナナメからの視点で語ります。これからの働き方・中世史・昭和前期の軍の組織論・労働問題・貧困問題・教育問題などに興味があるので、それらの話題が中心になります。

「大卒」で良かったこと、そうでもなかったことをあれこれ書いてみる件

僕は一応大学を出ている。しかも2校。

今時「学士」を持っているからといって大したことはない。

何たって大学進学率が50%を超えているのだから。

僕が大学に入ったころの大学進学率は30%を超えたほどで短大・専門学校を含めた高等教育機関への進学率が40%を超えていて、当時でも大学の価値が暴落したと話題になっていた。

 

僕が通っていた高校ではほぼ全員が大学・短大に進学していたので大学に行くことは半ば当然のような感じだった。

僕はなんとなく社会学に興味があったので、社会学部のある大学を目指して受験勉強を(なんとなく適当に)して、関西学院大学社会学部に入学することになる(国立大学に落ちたから仕方なく)。

 

さて、前置きはこのくらいにして「大卒」で良かったこととそうでもなかったことをつらつらと述べていこう。

まず大卒で良かったこと得したことについて。

ひとつめは就職で新卒カードを得られたこと。入れる入れないはともかくとして、世間で一流企業とか有名企業とか見られている会社に入社できる可能性が開けたことである。今は有名企業に入っても幸せとは限らないぜ、と斜に構えたものの見方をしているが、当時はやっぱりでかい会社、できれば有名な上場企業に入ることがステイタスだと考えていたのだ。僕は非上場ではあるがそこそこ有名な業界最大手の会社に内定を貰うが、まぐれでとある政令指定都市の公務員試験に受かってしまったので公務員になった。

次に一部の国家資格の受験資格が大卒ならばクリアするということである。現在はこの学歴条項をなくす傾向にあるが、一昔前までは大卒・短大卒あるいは専門学校卒以上でないと受験できない国家資格が結構あったのだ。僕が所有している社会保険労務士資格も僕が受験したときは実務経験がない場合は短大卒以上という学歴条項があった。

他に大卒で得したことはと考えてみてもすぐには思い付かない。せいぜいが社労士をしているときに同じ大学出身ということで何人かの社長さんに可愛がられたというくらいである。

 

大卒で明確に損をしたという経験は僕にはない。

介護福祉の業界で働くようになって、大卒+資格持ち(社会福祉主事任用資格)ということで相談員という仕事に就いたり、ケアワーク以外に事務仕事を任されたりした、という点がちょっと良かったところか。ただ、現場仕事でもたもたしていると、大卒のくせにという同僚や上司からの冷たい視線を感じたことはある。介護福祉の業界はほとんどが高卒以下の人たちで構成されているので、大卒者は希少な存在なのである。

新卒カードが使えなくなると、大卒かそうでないかということはあまり関係がなくなる。そこそこ大きい会社にホワイトカラーの職種で転職する際に大卒であることが要件とされる場合が多いが、それ以外(現場職であるとか中小企業の場合)は高卒以上となっているので大卒の優位性は殆どない。

 

戦前までは「学士様」という言葉が世に流れていたように、大卒者は特権的なものであった。しかし今はありふれたものになっている。

だから大卒ということで明らかに有利になることなんてないと思う。しかし、これだけ大卒者が世の中に溢れかえると、大卒がデフォルトとなって大卒でない人たちが不利益を受けることは大いにあり得る。こういった意味で学歴社会が強化されるおそれはある。

 

僕は知らず知らずのうちに大卒の恩恵を受けているのかもしれない。

そこに気づかないところに僕の無知蒙昧さがあり、また学歴社会の根深さがある。