希望の舎―再生編ー

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過度なノルマは百害あって一利なしという件

日本郵便の従業員がとてつもない額のノルマを課せられ、「自爆営業」を強いられているという問題が明るみに出た。このケースが悪質なのは立場の弱い非正規社員にもノルマを課していたことだ。売上至上主義・利益至上主義という民間企業のよくない部分が肥大化するという、民営化の悪弊が噴出した事例である。

 

社員に過度なノルマを課して、売上を上げようとする会社は多い。

ノルマによって、短期的には売上は上がるだろうが、劣悪な労働条件に陥ることが多く社員の定着率は悪くなる。

 

経営者にとっては売上や利益が上がりさえすればよいと考えているのであるから、社員の精神的・肉体的疲弊など眼中にはないのだろう。雇用情勢が悪いので、替わりはいくらでもいると考えている。社員を使い潰すブラック企業を生む温床になっているともいえる。

 

過度のノルマを課すことによって、会社の業績が上がるわけではない。

そのような会社は経営戦略が杜撰であり、無いに等しいと考えてよいだろう。社員に全面的に依存して、経営者は何ら戦略を練らずに無為無策であることを内外に表明しているようなものだ。

 

「ノルマ」は旧ソビエト連邦で生み出された概念で、作業効率を上げるために各人に能力ぎりぎりの(あるいは能力を超えた)分量を割り当てて、達成できなければ懲罰を与えるという意味合いを持つ言葉である。元々が効率のみ重視した非人間的な考え方に基づくものである。

ただし、ノルマによって効率性が上がるのかというと、甚だ疑問である。

 

ノルマを課して結果が伴う場合もある。僕はノルマを全否定しているわけではない。使い方によっては効率が上がり、成果が出ることもある。

新しい商品やサービスを提供するときには、人海戦術が有効な場合がある。新しい商品やサービスが一般には知られていないので潜在的な需要を掘り起こせば、売上が見込めるからである。

例えば以前に外資系生命保険会社が売り出した医療保険がん保険は、発売当初はよく売れたという話を聞いたことがある。ニーズはあるのにそれまで存在していなかった商品・サービスを提供する際には、ある程度のノルマを課すことは有効なのかもしれない。

ただし、悪い例もある。

変額保険や投資信託である。元本割れが生じて多額の損失を出した人たちが続出したのだ。売る側がノルマを達成することに気を取られて、リスクを説明しなかったことが問題になったのである。

 

他者と差別化できない商品・サービスを売る場合にノルマを課すと色々と問題が出てくる。そうした商品・サービスはどうしても値引きや「押売り」に等しい無茶な販売方法になりがちである。顧客とのトラブルも増えるし、利益率が下がる(そうすると社員の給料も減る)ことになり、会社の経営を脅かすことになる。

また、悪徳商法に走ってしまうおそれもある。

 

いずれにせよ問題なのは、社員がノルマを達成することのみに躍起になり、モラルが低下することである。売ることばかりを考えて、顧客の利益を顧みないことになる。これでは、顧客のみならず、社員や会社にとっても不幸なことだ。

 

ノルマ主義は精神主義との間に相関関係がある。

悪しき精神主義や根性論は百害あって一利なしだ。

 

ノルマがなくても発展している会社は数多ある。

ノルマ至上主義による弊害が多くあり、効率性を下げているということを、働く者も経営者側ももっと真剣に考えてみることが必要である。

  

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