希望の舎―キボウノイエ―

漂泊を続ける民が綴るブログ。ちょっとナナメからの視点で語ります。これからの働き方・中世史・昭和前期の軍の組織論・労働問題・貧困問題・教育問題などに興味があるので、それらの話題が中心になります。

たまにとんでもない労働者はいるけど、僕は労働者の側に立ちたいという件

僕は度々このブログで労働者としての自覚を持つことや、労働者の権利を主張し実行することを述べてきた。

僕は労働者の目線で、労働者の立場に立ち、労働者の権利を擁護する者でありたいと思っている。

 

しかしながら、かつて社労士事務所を営み、様々なケースに出くわす中で、トンデモ社員がいたのも事実である。社労士という立場上、経営者の意を汲み、不良社員の処遇に悩んだことは一度や二度ではない。

 

社労士を辞めたとはいえ、守秘義務があるので詳しいことは書けないが、印象に残っているケースを述べてみたい。

 

まずは経歴詐称が問題になったケース。

A社である国家資格が必須の業務に就く社員を募集し、Bさんが採用された。前職者が急に辞めたので本当に「急募」だった。確か1週間もかからずに採用したと記憶している。

ところがこのBさん、仕事ができない。専門知識もあやふやだ、と採用後1週間程で問題となった。社長が問い詰めたところ、業務の経験はあるが、資格を持っていないと白状した。

履歴書に書かれている内容を信じて、資格証の提出を強く求めなかった(Bさんは無くしたと言っていたため)会社の脇の甘さも問題であるが、雇ってしまったら後の祭りである。

経歴詐称は合理的な解雇事由になると進言し、即日解雇するに至った。ところがBさんは多少労働法の知識があったみたいで、解雇予告手当(賃金の30日分)の支払を求めてきた。このケースでは解雇自体は認められるが、解雇予告手当は支払わなければならない。ただし、解雇予告除外認定を労働基準監督署で受ければ支払は不要となる。僕は除外認定を申請するつもりでいたが、社長の「ややこしいことになるのが嫌やから、その位払ってやれ」の鶴の一声で解雇予告手当を支払うに至った。後々考えてみると、解雇予告手当目当てだったのかもしれない。

 

次に会社や社長を誹謗中傷したケース。

C社には創業当初からの社員であるDさんがいた。この人は同業者や関係者に会社や社長の悪口を言いふらしていた。仕事でもクレームが多かったが、キャリアが長いこと、業界の実力者に知り合いがいたこと等の事情が相俟って、社長は手を出せずにいた。そこで、僕に相談してきたわけである。

色々と調べた結果、Dさんは度々タイムカードの不正打刻をしていたことが判明した。遅刻や早退、中抜けなどをして同僚にタイムカードを打刻してもらっていたのである。この不正は懲戒解雇ができるケースである。判例に類似のケースがあり、裁判所は解雇を有効と認めていた。

結局、社長は穏便に解決することを望み、不正の事実を突きつけた上で、円満退職という形を取り、退職金も全額支払った。

僕もこの対応で良かったと今は思っている。

 

労働者の殆どは勤勉で真面目に仕事に取り組んでいる。今まで述べてきた事案はレアケースである。

世の中には色々な人たちがいるので、たまには厄介な労働者もいるというだけの話である。

日本は労働者を解雇することが難しいという話が流布しているが、そんなことはない。整理解雇も条件付だが認めているし、合理的な理由があれば解雇ができる。

 

会社や経営者の暴走を防ぐためにも、労働者の生活を守るためにも、労働者保護の法令は必要だし、労働者の権利を現状より制限することには僕は反対である。