希望の舎―キボウノイエ―

漂泊を続ける民が綴るブログ。ちょっとナナメからの視点で語ります。これからの働き方・中世史・昭和前期の軍の組織論・労働問題・貧困問題・教育問題などに興味があるので、それらの話題が中心になります。

「正社員」にこだわりすぎるのは、考えものだという件

以前のエントリでも述べたが、正社員として働いていなければまともな社会人と見られない風潮には違和感を感じている。

パートやアルバイト、派遣、フリーランスという形で働いている人たちも立派な社会人である。

正社員には優れている人たちがなっているというわけではない(将来は分からないが)。仕事ぶりが悪い正社員なんてゴマンといる。

 

なぜ、「正社員」にこだわる風潮がつよいのだろうか。

 

今、学校教育でフリーターにならないための指導がなされているという。正社員と非正規社員との間に存在する収入格差や社会保障の適用の差が強調され、正社員にならなければまともな生活が送れないと煽っている。まるで、非正規社員となりフリーターとなれば、人生終わりだと言いたげに。

確かに正社員のほうが給料は良いし、社会保険にも加入できて生活は安定する。ローンも組みやすいし、クレジットカードの加入審査も通りやすい。

しかし、受け入れる会社側が正社員の数を減らす傾向にある。正社員になれたとしてもブラック企業のように職場環境や労働条件が劣悪な場合もある。正社員になったから、将来はバラ色なんてことはないのだ。

 

そこそこ大きい会社の正社員になれば、ジョブローテーションがある。営業をしたかと思えば数年で経理になり次は総務というように。会社側はジェネラリストを作ったほうが都合が良い。人員が欠けたら新規採用でなく、社内の人員を配置変えして対応できるからだ。会社の色に社員を染めることもできる。

社員の側から見ると、その会社にずっと勤め続けることができるのなら問題はないが(管理職・役員への昇進も期待できる)、何らかの理由で転職するとなると、不都合なことになる。ある会社の色に染まった社員は、別の会社では評価されないことが多い。営業や経理一筋という人たちの方が案外転職しやすいこともある。ある社内でエリートコースを歩いていた人の方が転職しにくいという、逆説的なことが起こる。

 

今まで述べてきたことが分かるのは、働き出してから社会の実情を見て、色々と経験してからである。学生時代にはなかなか理解できない。どうしても、正社員でなければ世間体が悪いとか、他人から評価されないなどの一種の同調圧力に呑まれてしまうのだ。就活というバカ騒ぎにも原因がある。

 

僕は何も正社員なんかになるな、と言いたいのではない。正社員の利点も多くある。ただ、総合職的な正社員には馴染めない人たちや、ある分野の専門職に就きたいという希望を持つ人たちにとって、現行の正社員に対する処遇とはマッチングしない。度重なる転勤や配置転換を望まない人たちも多くいるはずだ。そういった要望にマッチする人事制度がもっと普及すれば良いと思う。限定正社員がその一例である。

また、私生活を充実させ、仕事とのバランスを保ちたいと志向する人たちにとって、現在の正社員の働き方ではその希望は叶えられない。

 

仕事は人生の一部に過ぎない。

働きに働いて、会社に忠誠を尽くしても、会社はそれに報いてくれるという保証はない。

 

ならば、従来の正社員という働き方を見直してみることも必要だ。

 

自分が本当に大切にしているものは何か。

正社員でなければならない理由は何か。

 

これらのことを深く考えて、自分の働き方を決めてもいい、と思う。