希望の舎―キボウノイエ―

漂泊を続ける民が綴るブログ。ちょっとナナメからの視点で語ります。これからの働き方・中世史・昭和前期の軍の組織論・労働問題・貧困問題・教育問題などに興味があるので、それらの話題が中心になります。

能力給や成果給を採用して、業績が上がるのかという件

先日のエントリーで、能力給について言及したので、関連して以前に別のブログで書いた記事を再掲してみる。

 

 

戦後から経済成長期にかけて、日本の会社の人事・賃金制度は年功序列と終身雇用が一般的であった。

バブル崩壊後の経済停滞期を迎えて、欧米流の能力主義を採り入れる事が流行のようになった。

 

一見、この流れは正しいようにみえるかもしれない。しかし、あたかも能力主義が企業業績向上の切り札という考え方は正しいのだろうか?
 

ある有名企業は能力主義人事を採用したら、業績の悪化、職場環境の悪化及び社員のモチベーションの低下に陥り、全面的に修正したといわれている。他方、未来工業のように年功序列・終身雇用を貫いて業績が右肩上がりの会社もある。

 

結局は業種や職種によって能力主義がなじむ場合となじまない場合があるのだ。
同じ会社の中でも、能力主義を採用するとよい部署と年功的な制度を採用するとよい部署がある。

公務員は典型的な年功序列・終身雇用の職場だが、これも能力主義と年功序列制を職種や採用区分によって分けたらいいと思う。キャリアや地方公務員の幹部候補採用者は能力主義に、ノンキャリアは年功的要素の強い人事制度に分けたらよいのではないだろうか。

 

能力主義を採用する場合の大きな問題点は、「誰が」評価するのか、評価する上司が部下を評価できる能力があるのかという点である。また、「公平」に評価できるのかという問題もある。
上司の能力が低い場合、公正な評価は期待できない。例えば能力のある部下に対して、自分の地位を脅かすと考えて不当に低く評価したり、自分の好き嫌いだけで評価してしまう可能性も大いにありうる。そうなると、企業業績に影響が及ぶし、何より、従業員のモチベーションを下げてしまう。

 

賃金制度や人事制度は従業員のモチベーションを上げるためのものであるはずだ。
年功的要素と能力主義的要素をバランスよく組み合わせた制度が、結局は良い結果を残せるのではないかと思う。

 

この記事を書いた後に、職務給的な決め方もありなんじゃないかと考えが変わった。すなわち、能力給と年功給に職務給をプラスする方法と、シンプルに職務給のみで給料を決める方法がいいのじゃないかということだ。人それぞれの働き方や職業観あるいは人生観があるのだから、いろいろな給料の決め方があってしかるべきだと思う。