雇用問題について考えてみる
働いている人たちの待遇を良くし権利を擁護するためにはお上頼りではなく自力でしなければならない。そのために労働組合があるのだけれども、その衰退が甚だしい。新しい形での労働運動が必要不可欠である。 初出 2015/9/22 働く者ひとりひとりの力は弱い。 …
勤めている会社に従順になりすぎるのはあまりにも面白くない。 時には反抗し、自分の意志を表に出すことをしてもよいはずである。 従順ならざる者は排除される危険性があるが、同時に畏敬の念をもたれることもある。 初出 2015/9/10 僕は雇われて働くことが…
「即戦力」となりうるスキルや知識を持つに越したことはない。 特に転職をする際には大きな武器になる。 ただし陳腐化しないようによくよく注意しなければならない。 初出 2015/9/15 昨今は新卒者の採用においても「即戦力」を求める傾向にある。この場合の…
大学生の就活が始まったとの報道が目に付く。 僕も大学時代は就活をしたが、今ほどは騒がれていなかったし、当の本人には悲壮感は全くなかった。当時は景気が良かったということもあるが、就活によって一生が決まると考えている人たちは多くはなかったように…
僕が社会保険労務士をしていたときに力を入れていた業務は労働条件の整備・就業規則の作成そして人事制度や給与制度の構築である。 前者の仕事は結構依頼があった。労働条件、例えば有給休暇や労働時間、週休2日制の導入など問題を抱えた会社が多かったから…
派遣やパートの立場で働いていて感じることは、同じような立場で働いている人たちが正社員と同様あるいはそれ以上に真面目に熱心に働いているということだ。 世のほとんどの会社は「ほどほど」以上に働く非正規雇用の社員たちのおかげで成り立っていると肝に…
僕は常々疑問に感じていたことがある。 それは会社の社長が独裁体制を敷き、そのことによって経営が左前になっているときに幹部は何をしていたのだろうと。確かに独裁的な経営者に異を唱えるとクビを切られることもある。左遷されることもある。しかし、筋の…
人並みはずれた才能や資質を必要とする仕事はごく一部に過ぎない。 ほとんどの仕事は誰にでもできるものである。 つまり代替可能なのだ。 仕事に命をかけることもないし、人生のすべてをつぎ込むことなどない。 初出 2015/7/14 僕は幾度もこのブログで非正規…
昨年の4月から生活困窮者自立支援法が施行され、生活に困った人たちを救済する道筋が一応はできている。 これまでは生活に困窮した人たちに対する支援・援助は事実上生活保護制度しかなく、当事者にとっては非常にハードルが高いものであった。生活保護制度…
ブラック企業を規制するために国家権力が介入することには危うさがある。経済活動は私的自治の原則に則らなければならない。 労働者の権利擁護はまずは労働者自身の団結権・団体交渉権・争議権の行使によってなされるべきで、次に国家による法規制とするべき…
人は誰しも今自分が置かれている状況を正当化したいものだ。特に仕事に関してはその傾向が強くなる。ブラック企業で働いている人たちが全員辞めないのは、転職に不安がある、生活ができなくなるといった理由であろうが、その会社での自分の頑張りがただの無…
中高年の求職者を揶揄する小噺として、就職面接の場で「部長ならできます」と答えた人がいたというものがある。市場の評価に耐えうる自分のスキルをアピールできない哀れな中高年者を嘲笑する悪意が潜んでいる。 そこには自身のスキルを例えば経理なら決算ま…
数日前のネット記事で中高年フリーターの悲惨さが取り上げられていた。ヤフーのトップニュースにも挙がっていたので読んだ人たちも多いと思われる。 その記事の内容については僕としては取り立てて批判する点はなく概ね同意できるのだが、ちょっとだけ引っ掛…
真偽の程は定かではないが、就職試験の際に労働時間や賃金、残業時間等の労働条件を聞くような人は採用しないという言説が流布している。 特に新規学卒者の就活においてよく語られている。労働条件を聞くような学生は意欲を疑われるらしい。会社としては労働…
転職35歳限界説というものがある。 35歳を過ぎてからの転職は待遇が悪くなるし、そもそも転職自体が難しくなるという説だ。 だからこの説が正しいということになると、ある程度の年齢に達したら今いる会社にしがみつくしかなくなることになる。しかしそこは…
働く者ひとりひとりの力は弱い。 会社から不当なあるいは違法な扱いを受けても泣き寝入りしている人たちが大半である。 たとえ異議申し立てをしても、個人が組織と戦い続けることは困難を極める。 だからこそ、労働者は労働組合を組織して会社・経営者に立ち…
新卒時の就活に失敗すると人生が詰んでしまうという極端な暴論が広まっている。 新卒時に正社員として雇用されないと、以後はずっと非正規雇用のフリーターとなり、生涯賃金に大きな格差が生じるという。一生浮かばれないとの強迫観念に捉われる。 典型的な…
僕は雇われて働くことがイヤである。 ただし現実問題として、生活していくためにはカネを稼がなければならない。大方はどこかの会社に雇われて労働者としての道を歩むことになる。 会社に雇われて働くにしても、僕たちは会社に完全に隷属してはならない。僕…
学校教育は結局のところ組織に順応する人たちを生み出すためにある。 国家に会社に役所に従順な人たちが多数を占める社会が安定した社会なのである。 そんな社会をクソ面白くもない、なんて思っている僕はただのはぐれ者なのだ。 初出 2015/3/3 僕たちは学校…
頑張って仕事をすることは良いことである。 正社員・非正規社員に関係なく。 なぜこのような当たり前のことから書き出したかというと、仕事を頑張りすぎると会社・経営者側の思う壺になるという視点を持っておいた方が良いと思うからである。 経営側は同じ給…
自己啓発系の本などでサラリーマンは個人事業主になれ、という類の言説がなされていることがある。大部分は個人事業主の意識を持てという意味合いのものだ。つまり、個人でいかに業績を挙げて利益を出すかを追求せよということである。また、会社という組織…
現在の労働組合の組織率は20%を割り込んでいる。大企業以外に勤める人たちの大半は労組に加入していない。 労働者の殆どは自分の身を守る術を持たないでいる。会社が押し付ける違法な労働条件や不当な取り扱いに対して声を上げることができない状況にある。…
この国の労働者、特に正社員は仕事に全精力を注ぎ込むことが当たり前だとされている。プライヴェートを犠牲にすることも厭わない態度が要求される。 自分の仕事を終えても付き合い残業をさせられたり、意味のない長時間の会議に出なければならない。 極言す…
会社での出世競争に敗れたり、仕事ができないと烙印を押された人たちは閑職に追いやられて「窓際族」と呼ばれていた。今ではもう死語なのかもしれない。窓際族になる前にリストラされて淘汰されてしまう。 かつての窓際族にはある意味存在感があったように思…
少し前に「40歳定年」を唱えた人がいて(名前を忘れた)話題になった。一見暴論のように思える説ではある。巷の人たちは60歳から65歳で定年になることを、あるいは定年制を自明のものとして捉えている。定年制なんて便宜上作られた制度に過ぎない。本来はい…
僕は幾度もこのブログで非正規雇用の人たちの処遇を良くしろ、正社員のレベルに近づけるべきだと主張してきた。同じような仕事内容なのに非正規雇用というだけで劣悪な待遇に甘んじることを強いるのは不合理だと述べてきた。 この僕の主張に対して、非正規雇…
ブラック企業問題に関する言説で国は積極的に関与して問題企業を規制せよというものがある。 既存の労働基準法やその他の労働法に加えて「ブラック企業規制法」的な法律が必要だという論もある。 これらの言説は一見正しいようにみえる。働く人たちを酷使し…
仕事をするなら、やはり働きやすい職場で働きたい。サラリーマンの誰もがそう考えているのではないだろうか。 どういった職場が働きやすいのか、人によって条件が異なるとは思うが、一般論的に少し考えてみたい。 僕が考える「働きやすい職場」とは、①ゆとり…
僕はこれまでにサラリーマンという生き方を否定するニュアンスのことを幾つか書いてきた。 しかし、これは自分のふがいなさに対する裏返しの感情が含まれていたことは否めない。僕が真っ当にサラリーマン生活を送れないことに苛立ちがあったからだ。サラリー…
「就活」とは就職活動の略語である。 狭義では大卒者の新卒採用に関する就職活動を指す。巷で話題になるのも殆ど大学新卒者の就活である。 就職活動は大学新卒者の専売特許ではない。中高卒者や既卒者の就職活動も中高年の転職活動もすべて「就活」のはずで…