希望の舎―再生編ー

ライフサポーター&開運アドバイザーが書き綴るブログです。「あなたの心に灯をともす」ため、先人が伝承し語り継いできた叡智を伝えます。テーマは歴史/教育/宇宙論/仕事/居場所/心と体の癒し/健康法/開運法/運気アップ/民俗学/文化人類学/食養生法/少食/自然医学/甲田療法/中村天風/斎藤一人/エドガー・ケーシー/生きづらさ

「したくないこと」をやらない生き方をしたいという件〈再掲〉

この社会では「忍耐」や「我慢」が美徳とされてきた。

嫌なことややりたくないことをやり遂げることが大切だという悪しき精神主義・根性論が蔓延している。

この手の洗脳を解くことから始めなければならない。

 

初出 2016/11/8

 

僕たちは嫌なことややりたくないことをしなければならないときがある。

大抵は「人生はそんなもんだ」とか「世の中は甘くない」とか嘯いてやりたくないことを当たり前のような顔をしてやり通す。

究極の楽しくて面白い人生とはやりたくもないことなぞ目もくれずに自分のしたいことだけをするというものだ、と僕は思う。

ただ、現実はそんなことを許してくれない。いや、僕たちはそう思い込もうとしている。実際にやりたくないことをしない、ということを貫くと周囲との軋轢を生むし他者からは「自分勝手な奴」との烙印を押されてしまい何かと面倒なことになる。

 

この社会では嫌なこと、したくもないことをやり通すことが立派だと賛美されることが多々ある。

ある会社に入社しても自分のやりたい仕事、得意な仕事に従事できるとは限らない。大抵の場合、ある人がどんな仕事に就くかは会社が(人事が)勝手に決めてしまい、社員はそれを拒否できない。

僕が公務員を辞めた経緯については何度がこのブログでふれている。ひとつは残業時間の削減に努めたことが上司の不評を買ったことである。もうひとつは人事の理不尽さにあきれたからである。僕の最初の異動に際しての人事のヒアリングのときに希望の部署と行きたくない部署を聞かれたのだけれども、結果は僕が行きたくないという部署に配属されることになった。その際に上司は「うちは行きたくないところに行かせるのが人事の方針だ」といけしゃあしゃあと言ったのだ。同僚や同期たちを見渡すと、確かにほとんどの人は希望通りには異動していなくて、中には僕同様に行きたくない部署に異動させられた人もいた。これでは人事は嫌がらせをするために存在していると言っても過言ではない。市役所の職員は滅多に辞めないことを逆手にとって好き放題していたのだ。「適材適所」を無視した人事がまかり通っていたのである。

 

僕の体験をつらつらと書いてしまった。

僕は今となってはかつて所属した役所に感謝している。

やりたくないことや向いていないことを我慢してやり通すなんて本当にバカバカしいと思い知ったし、そんな我慢だらけの人生なんて面白くないとの思いに至ったからだ。

公務員を辞めてからは、僕は原則としてやりたくないことをやらないようにしようと心がけてきた。完全にそれを実行できたとは言いがたいが、無理な我慢は絶対にしないと心に決めてこれまでやってきた。

フリーランスのときは嫌な感じのする依頼を断ってきた。雇われて働くときも、我慢の限度の頃合いを低めに設定して、限度を超えたと感じたらすぐに辞めることにしてきた。おかげでずっと経済的に不安定な状態が続いているけれども、精神状態は良好のままでいる。

 

やりたくないことはやらない、という生き方はとても贅沢なものである。

失うものも多いけれども、得るものはもっとたくさんある。

僕はこれからもずっと「我慢は美徳」という風潮に抗っていきたい。

やりたくないことや嫌なことはしない、という贅沢を満喫していきたい。 

減点主義は人を委縮させ、新しいものを生み出すことを阻害する、という件

学校教育においても、はたまたサラリーマンの世界においても減点主義的な評価方法で選別している。

特にそれが顕著なのが公務員の世界である。

なぜ「お役所仕事」がこれほど批判されても改まらないのかというと、その主な原因は減点主義の人事考課を徹底しているからである。

 

学校教育の領域では昨今は人間力をつけるとか創造性を発揮させるとかのスローガンを打ち出しているが、根本にある減点主義的な選別がある限り何も変わらない。

教育改革なるものはいつもあるべき学生像なるものを上から押し付けて、そこから逸脱する者を選別し排除しているに過ぎない。個性の尊重とは言うけれども、その個性とは国家や企業にとって都合の良い個性であって、本来それぞれの人が持っている可能性をそれぞれの形で発揮させるというものではない。単に学生たちを減点主義によって均質化するものに過ぎないのである。

 

会社や役所等の組織でも減点主義が幅を利かせているように思う。

会社や役所で高い地位に就けるのは減点主義的な評価・選別を経た無難な人たちが多い。既存のシステムを変革させようとしたり創造的な仕事を志向する人たちが高評価を得ているかといえば疑問視せざるを得ない。

出世することだけが職業生活の目的ではないけれども、サラリーマンにとっては大きな関心事であることは確かである。

 

人に対する評価方法が減点主義に偏ると、人は委縮し、組織も活性化されない。何よりも組織内の人たちの思考様式が組織の論理につられて減点主義的になることが怖い。新しいことに手を出さななくなる、人と違うことを恐れる、となると組織は画一化され硬直化し、組織内の人たちの考え方も柔軟性を欠くようになる。社畜や会社人間と揶揄される人たちを生む土壌となる。

 

月並みな意見になってしまうけれども、組織を活性化させ、個人の潜在能力を発揮させるためには加点主義的な評価方法を採り入れるしかない。

減点主義的な評価方法自体が絶対的に悪いわけではない。減点主義に偏るのがいけないのである。組織の実情にマッチするように減点主義と加点主義をうまい具合にミックスさせて、個人にとっても組織にとっても良きようになるような評価方法を工夫して作り上げる。

言うは易し行うは難しではあるがやってできないことはない。

 

そもそも、完璧な人なんてこの世にはいないのである。

誰もが減点される個所を必ず持っている。減点されない人なんていないのだ。「これをやったら減点される」「失敗したら減点される」という意識を持っていたら、やりたいことの半分もできない。

組織を存続させることのみを目的とするならば減点主義に偏ってもいい。尤もそんな組織にずっといたいとは思わないけれども。

人がずっといたいと思う組織・共同体はある程度の失敗を許容する「ゆるさ」があるところである。

「昔は良かった」なんてことはないという件

若い人たちと話しているとついつい「僕らが若い頃は~」と言ってしまうことがある。僕としては「今どきの若者はなっとらん」とか「僕らが若い頃は良かった」なんて言いたいわけではない。この手の物言いは僕が最も嫌うものである。けれども、つい「昔は~だった」と口をついて出てしまう。これは明らかに「老化現象」である。ちょっとだけ悲しい。

 

昔のことを懐かしがるのはやむ得ないことである、と僕は思う。

歳を喰ってしまった今となっては若い頃のみずみずしい感性で世の中と向き合っていた頃の自分が愛おしいのである。今よりも未熟で未成熟だった自分が可愛いのである。

世の中がいくら進歩しても(あるいは進歩していると思い込んでも)、世の中には数えきれないほどの矛盾や歪みが現に存在している。この矛盾や歪みを失くすことは自分の力によってはできないし、ある程度はそれらを受け入れて生きていくしかないと諦念するしかない。

 

世のオッサンたちの多くは現状に耐えきれずにノスタルジーの世界に思いを寄せることによって精神のバランスを取ろうとする。

その典型的なものが「昔は良かった」と過去を美化することである。

僕は今を自分なりに懸命に生きて、その結果として少しでも明るい未来に期待するという生き方をしたいと強く思っている。過去に縛られていては何も生まれないし何も変わらない。

かと言って、ノスタルジーに浸り、「後ろ向き」な思考様式を完全に否定することはできない。

 

昔は良かったと懐かしがり、今の生活の不満のはけ口にしたい人たちの気持ちも分かるけれども、「昔は良かった」と思考停止する態度はいただけない。

だいたい「昔は良かった」はずはないのである。

生活の豊かさ、便利さを取ってみても明らかに今の方が上回っている。倫理観や道徳観が劣化しているという人が多いが、それはあくまでも印象論でそれを裏付けるエビデンスはない。単に過去を美化しているだけ、という見方もできる。凶悪犯罪や少年犯罪も明らかに昔の方が多いという客観的なデータもある。

そもそも「昔は良かった」の「昔」はいつの頃を指すのか定かでない。人によっては高度経済成長期のことを指すし(この時期を懐かしがる人が多い)、戦前の大正・昭和の時代を指し、極端な場合には明治時代とか江戸時代が良かったと言い出す人もいる。

 

おそらく、昔の人たちももっと昔の時代を懐かしがったりしていたと思われる。

人はいつの時代も現状に不満を持ち、過ぎ去った日々を過剰に美化し懐かしがり、憂さ晴らしをしていたのである。

 

僕はみだりに昔の話を持ち出して、過去を美化し、それによって自分を正当化する態度を厳に慎みたいと思っている。

それは僕の美意識であり、何よりオッサンと思われたくないという悪足掻きである。

懐古趣味はほどほどにしておいた方がいい。

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